COLUMN

18歳からの漫画の描き方

vol.02

自分に才能があるかないかは、連載をしてみないとわからない

多くの若い漫画家志望者の方に、「私は才能がありますか? プロの漫画家になれますか?」と聴かれます。そういう時、私はいつも「あなたに才能があるかないかはわかりません。けれど、とりあえずプロの漫画家にはなれます」と答えます。これは適当な事を言っているのではなく、僕の経験則から言って、その作者が本当に正しく漫画を学び、考え抜き、描いていれば、そして、社会人としての常識があれば(編集者さんとのやり取りを含む)、ほとんどの人はとりあえずプロの漫画家(ここでは自分の読み切り作品が商業誌の誌面に載るという事をもってプロの漫画家に成ると定義します。)になれます。才能があるかないかは、そうやって読み切りが雑誌に載り、連載の作品を描くチャンスが来た時にそれをものにできるか、そして実際に連載が始まったらその作品がアンケートで良い結果を残せるか、コミックスになった時に売れるかどうかで決まります。

自分が面白いと思ったものが100万人の人々と共有出来る人は、みなさんが言うところの漫画の才能があります。みなさんはきっと大金持ちになり、自分の描いた作品で全国の少年少女に夢を与える事ができます。
逆に、自分的には妥協なく最高のものを作ったにもかかわらず、それを面白いと思ってくれる人が1000人しかいない人は、残念ながら商業誌的な意味での漫画の才能はないと言えます。もっとも、それは商業誌的な才能であり、その面白さを共有できる1000人の人と、同人誌即売会などでやり取りをするというのも立派な漫画活動です。

というように、自分に漫画の才能があるかないかは、連載をしてみないとわかりません。が、多くの方は、そこにたどり着く前に挫折してしまいます。僕から見ると、「もったいないなぁ」と感じます。

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