COLUMN

18歳からの漫画の描き方

vol.20

濃い原稿を作りましょう

色々と申して来ましたが、結論としては、濃い原稿を作りましょうということです。例えば、演出に関して言えば、みなさんの原稿はプロのそれに比べて圧倒的に演出力が薄いです。試しに、自分のB4原稿をコンビニでコミックサイズにまで縮小コピーしてみてください。みなさんの描いている漫画のコマはプロのそれと比べて圧倒的に小さいんじゃないかと思います。例えば、先ほど提案したセリフ。みなさんのこれまでの作品で、プロの漫画家さんが大ゴマで使うセリフほど濃いセリフが言わせられているでしょうか? おそらく言わせられていないのではないでしょうか? ストーリー上の裏切り、大どんでん返しは、わりと漫画家志望者の方も上手にやりますので、その辺はあまり大差はないと思いますが、それでは、先ほどの荒木先生のように、山場での大どんでん返しに至るまでのストーリーの運び方・主人公の感情線の引き方がとっても直線的で、全てのコマに意味がある原稿が作れているでしょうか? おそらく、作れていないと思います。
編集者さんはその人がプロフェッショナルであればあるほど、商業ベースで「売れる」漫画を求めています。電車の中ではほとんどの人がiPhoneをいじり、家に帰ればパソコンでyoutubeもニコニコ動画もタダで見放題の時代にあって、わざわざ書店や電子書店に来ていただき、漫画コーナーに無数に並ぶライバルコミックスではなく、自分の作品を買っていただくためには、尋常じゃない濃さが必要です。「坂本ですが?」「俺物語!!」「東京タラレバ娘」「ちーちゃんはちょっと足りない」どれも、濃いですよね? それも、それぞれに違う意味で濃く、それぞれが漫画家さんが自分の得意な部分で素晴らしい作品を描いていますよね? 私たちも、最終的にはこのような作家さんと肩を並べて、その人たちを押し分けて読者に作品を買っていただかないと、プロの漫画家として成功は出来ないのです。なので、今のうちから濃い原稿、自分のストロングポイント、自分ぶしについて考えて漫画を作る必要があります。

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